こんにちは。
今年の2月上旬、ベトナムを旅行中のお友達から素敵なホテルの写真が送られて来ました。そのホテルは、一度は行ってみたいと思いつつ結局、行く機会の無いまま本帰国してしまった、とても気になるホテルでした。
そのホテルの名前は『ナマン リトリート:Naman Retreat』、ベトナムのダナンにある有名5つ星ホテルです。この中に、レストランや会議ホール、バーなど、建築好きにはたまらない!私の気になる素敵な空間が広がっています。
今回は、【竹林浴】まるで竹細工建築⁉心が和む癒しのリゾートホテル をご紹介します。
(⇩各目次は、クリックでとべます)
ナマン リトリート:Naman Retreat
ダナンは、米紙「フォーブス」の『世界の魅惑のビーチBEST6』の1つに選ばれた今、人気のビーチリゾートです。
このホテルは、そのダナンにある、数々の建築の賞を受賞したことでも有名な五つ星ホテルです。
その中で、特に私の大好きな空間(建物)をご紹介します。
ヘイ・ヘイ・レストラン:Hay Hay Restaurant
圧巻の竹建築、竹が織りなす構造美!素晴らしい空間です。
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美しい!この一言に尽きます。
竹の特性を活かし、釘やネジ、接着剤を使わず建築されています。
このインスタでは、計4枚の素敵なレストランの写真を見ることが出来ます。
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大規模な竹建築のレストランです。
構造材は主に竹ですが、建物正面のガラスはコンクリート製の柱で支えられています。(☜大型ガラスは重いため、ここだけは仕方が無いのかも)
(※構造材とは、柱、梁、耐力壁など構造部分を構成する建築材料)
レストランの動画はこちらです。(☜まるで竹林浴しながらベトナム料理を楽しめそうです)
バー:Bar
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まるで可愛いキノコ 型の藁ぶき屋根(笑)⁉
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内部から見ると、まるで竹細工建築です(笑)。
会議ホール:Conference Hall
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まるで教会のような素敵な会議ホールです。
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竹を束ねて作ったトラス(屋根の小屋組み構造)の構造美が素晴らしい。
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奥へと続く、竹製の同じ構造体の繰り返しが美しい。
ここでウエディング写真を撮ってみたかったかな(笑)。
ビーチバー:Beach Bar
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日本人には、馴染み深い竹!色も形もこの落ち着く空間がたまらない。
曲線を組み合わせて作った竹製トラス(屋根の小屋組み構造)が美しい。
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外観は、意外とシンプルです(笑)。
ショップ
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曲線を組み合わせて作った左右非対称の竹製トラス(屋根の小屋組み構造)が面白い。
地図、詳細情報
【名称】ナマン リトリート:Naman Retreat
【住所】 Đường Trường Sa, quận Ngũ Hành Sơn, Đà Nẵng, Việt Nam
ホテルの動画はこちらです。(☜ホテルの全貌が見れます)
ベトナムの有名建築家 ヴォ・チョン・ギア:Vo Trong Nghia
ヴォ・チョン・ギア(Vo Trong Nghia)氏 は、日本の東京大学で建築を学び、海外からも注目されるベトナムの有名建築家の一人です。ギア氏 の数々の作品の中で特に代表的なモノは、竹を束ねて作る竹構造の竹建築物です。
そもそも、ベトナムには伝統的な竹建築は有りません。薬剤を使わない防腐処理、鉄を使わない接合部、曲げ加工の技術、竹を束ね合わせる方法など、ほとんどは ギア氏 が編み出したモノです。
竹建築を作り出すために、農民を集めて独自の職人集団を育成しました。初期の作品から比べると、まるで竹細工のように竹建築はますます複雑に進化し続けています。
そんな ギア氏 が手掛けたのが『ナマン リトリート:Naman Retreat Hay Hay Restaurant and bar』です。
日本を代表する竹を得意とする建築家
日本で竹は、どちらかと言うと内装仕上材(装飾部分)として主に使われていたため、昔から日本人には馴染み深い素材でした。
そんな竹を構造材として使った建築家として先ず思い浮かぶ人物は 隈 研吾 氏ではないでしょうか。
彼は、日本を代表する建築家の一人で、最近の代表作は 「新国立競技場」 が有名ですが、2002年に中国で作った『 竹屋 Great (Bamboo) Wall 』は、室内、室外、全て竹で作られ、北京オリンピックのCMとして建物の映像が使われたことで世界的に有名な建築物となりました。
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美しい!この写真に見覚えは有りませんか?
実は、『 竹屋 Great (Bamboo) Wall 』は、吉永 小百合さんが出演した『SHARP AQUOS』 のCMロケ地でもあるんです。吉永 小百合さんは、現地には行かずCG合成映像だったそうです(笑)。
竹を加工せず、そのまま使用しているように見えますが、実は竹の中の節だけを長いドリルで切り取り、中に鉄のアングルを入れ、竹を型枠として使用し、コンクリートを流し込んで補強しています。見た目は、あっさりした仕上がりですが、実は手が込んでいます。
( ※型枠とは、所定の形にコンクリートを打ち込むために使用する、木材や金属などで組んだ仮設の枠)
『 竹屋 Great (Bamboo) Wall 』はヴィラとなっており宿泊可能です。詳しくはこちらをご覧ください。(中国語が日本語翻訳されない場合は、開いた画面上で右クリックし、翻訳の文字をクリックして下さい。)
まとめ
日本国内では、色々な法規制により構造上、重要な部分に竹を使う竹建築は有りません。
それに比べ、ベトナムでは建築に関する法規制が緩く、地震が少ない上に日本の竹よりベトナムの竹は肉厚という環境も有りますが、ギア氏 が編み出した竹建築だからこそ成せる技なのかも知れません。
更に、手先が器用なベトナムの人達が数々の竹建築を手掛けることによりスキルが向上し、構法的により複雑な竹構造の建築が可能となりました。まるで竹細工のように進化し続ける竹建築、今後の ギア氏 の作品が楽しみです。
今回は、 【竹林浴】まるで竹細工建築⁉心が和む癒しのリゾートホテル でした。
いかがでしたか?
最後まで読んでいただき有難うございます。
それでは、また。