こんにちは。
ベトナム建築と言えば、フランス植民地時代に建てられたゴシック様式の建築物、そして中国の影響を強く受けた歴史的背景から屋根瓦を使った中国様式の建築物、更にその両方の特徴を併せ持ったモノまで多種多様な歴史的建築物が存在します。
そんな興味深いベトナム建築を紹介したいところですが、今回はベトナム建築の新しいジャンルとも言える、『竹建築』のご紹介です。そこには、建築好きにはたまらない、期待を裏切らない素敵な空間が広がっています。
今回は、【竹林浴】まるで『投入堂』⁉ 街並みを見下ろすバンブーアートカフェ をご紹介します。
(⇩各目次は、クリックでとべます)
三仏寺奥院 『投入堂』
先ずは、平安時代に建てられた国宝『投入堂:なげいれどう』の説明から。
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建物(仏堂)が断崖絶壁の窪みに張り付くように建築されています。
仏堂を法力(仏法の威力)で平地から山に投げ入れたと言われていることから『投入堂:なげいれどう』と名付けられたそうです。
簡単に足場を組めるような立地では無く、この時代の建築技術から考えると、まさに投げ入れたとしか思えない木造建築物です(笑)。
詳しくはこちらをご覧ください。
ノセンコ コーヒー:Nocenco coffee
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竹建築物が屋上にめり込むように建築されています。
鉄筋コンクリート造7階建ての屋上に後から作られたカフェです。
実は、この写真の第一印象が『投入堂』でした。 でも、どちらかと言うと投げ入れたと言うより…押し込んだと言う表現が正しいかも(笑)。
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竹を組んだ柱と屋根のみの構造なので妻側から奥のドーム部分、更には向こう側の街並みまでが見渡せます。
お陰で、エアコンは有りません。暑くても寒くてもそこだけは我慢です(笑)。
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建物内部は、まるでアジアンリゾートの癒しの空間なのに見える景色は街のど真ん中!このギャップが面白い(笑)。
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天井から床へ螺旋状(らせんじょう)に竹を組み、流れるような竹構造でコンクリートの柱を隠しています。
まるで、都会の喧騒の中に突然現れた洞窟みたい(笑)。
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奥に見えるドーム部分では、冬になると天井の高さを活かし巨大クリスマスツリーが飾られます。
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ドーム部天井は、螺旋状(らせんじょう)に組まれた美しい竹細工のようです。昼間は、丸いトップライトから明るい光が降り注ぎます。
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ドーム部分は、この様な開放的な空間になっています。
ここで小さなコンサートなんて良いかも!音響効果はどうなのか?個人的にそこが気になります(笑)。
地図、詳細情報
【名称】ノセンコ コーヒー:Nocenco coffee
【住所】 23 Quang Trung, Thành phố Vinh, Nghệ An, Việt Nam
お店のFacebook情報はこちらです。
ハノイから車で片道約6時間(約300km)。ドライバーと車を手配して行っても日帰りは厳しい距離です。一泊二日の旅行で行くことをオススメします。
ドライバーと車の手配は、現地旅行会社(HISハノイ支店など)で対応可能です。
ベトナムの有名建築家 ヴォ・チョン・ギア:Vo Trong Nghia
ヴォ・チョン・ギア(Vo Trong Nghia)氏 は、日本の東京大学で建築を学び、海外からも注目されるベトナムの有名建築家の一人です。ギア氏 の数々の作品の中で特に代表的なモノは、竹を束ねて作る竹構造の竹建築物です。
そもそも、ベトナムには伝統的な竹建築は有りません。薬剤を使わない防腐処理、鉄を使わない接合部、曲げ加工の技術、竹を束ね合わせる方法など、ほとんどは ギア氏 が編み出したモノです。
竹建築を作り出すために、農民を集めて独自の職人集団を育成しました。初期の作品から比べると、まるで竹細工のように竹建築はますます複雑に進化し続けています。
そんな ギア氏 が 2018年5月に手掛けたのが『ノセンコ コーヒー:Nocenco coffee』です。
☟ ギア氏が手掛けた『ナマン リトリート:Naman Retreat』をご紹介しています。よろしければ、こちらもご覧ください。
まとめ
今回の作品は、竹構造と言いながらも、鉄筋コンクリート造の建物に竹建築を後から組み込むように増築した混構造(異なった構造材料を混用した構造)です。
ギア氏は新しい試みにチャレンジし続け、決して期待を裏切らない!更なる進化が気になる竹建築です。
ベトナムの街並みを見下ろすようにたたずむバンブーアートカフェ、『ノセンコ コーヒー:Nocenco coffee』は、是非ともいつか行ってみたい竹建築です。
今回は、 【竹林浴】まるで『投入堂』⁉ 街並みを見下ろすバンブーアートカフェ でした。
いかがでしたか?
最後まで読んでいただき有難うございます。
それでは、また。